Intellectual Property Newsletter no. 71 (in Japanese)

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国外のサーバから日本国内のユーザに向けてプログラムを配信する
行為について特許侵害を肯定した事例

1.事案の概要
本件は、いずれも名称を「表示装置、コメント表示方法、及び プログラム」とする特許第4734471号に係る特許(「本件特許 1」)及び特許第4695583号に係る特許(「本件特許2」)を有する
控訴人(「X」)が、被控訴人ら(「Yら」)が提供するコメント付き動 画共有サービスに用いられているプログラム(「Yらプログラム」) 等は本件特許1の請求項9及び10に係る各特許発明(「本件発 明1」)並びに本件特許2の請求項9ないし11に係る各特許発明 (「本件発明2」)の技術的範囲に属し、YらによるYらプログラム 等の生産、譲渡、貸渡し及び電気通信回線を通じた提供(「譲 渡等」)並びに譲渡等の申出は本件各特許を侵害すると主張 し、Yらに対して、①特許法100条1項に基づき、Yらプログラム等 の生産、譲渡等及び譲渡等の申出の差止め、②同条2項に基 づき、Yらプログラムの抹消、③民法709条及び同法719条に基 づき、損害賠償金の内金1億円及び遅延損害金の連帯支払を 求めた事案です。

本件発明1は、動画と共にコメントを表示する表示装置及び プログラムに関する発明であり、具体的な実施態様としては、動 画再生時間に応じてコメントを動画上に順次表示し、画面の右
側から左側に移動表示した後、動画の表示欄(第1の表示欄)と 一部のみが重なる別の表示欄(第2の表示欄)の内側であり、か つ、動画の表示欄(第1の表示欄)の外側に表示するようにする
ことにより、コメントそのものが動画に含まれるものではなく、動 画に対しユーザが書き込んだものであることを把握可能にし、 コメントの読みにくさを低減させる効果を奏するというものでし
た¹。

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